間違い電話の向こう側

芸術・その他雑記

2017-01-01から1年間の記事一覧

無用の美

銅版画をやったり陶器を集めたり、自分の興味が科学技術の進歩とは正反対の方向へどんどん向かっているのを実感する。例えば、お茶を飲むコップにしても、今は真空断熱構造のコップが1000円ぐらいで売られていて、そのコップだと中の氷が丸1日溶けずに…

ベストアーティスト2017

毎年ひとりで勝手にベストアーティストというのを決めている。「その年初めて聴いた音楽」の中から良かったものをだいたい3組ぐらい選んで決める。あくまで自分が初めて聴いた音楽の中から選んでいるので、物凄い大御所と知名度ほぼ0の新人が同時にランク…

関西蚤の市

いつものようにだらだらとネットを見ていたら、「関西蚤の市」というイベントが今月の2日から3日にかけて開かれているのを知り、急に思い立って行ってみた。場所は阪急神戸本線の仁川駅を降りてすぐの阪神競馬場。競馬場の中に広い公園があって、そこが会…

壁を見る

少し前に杉浦貴美子という人の「壁の本」という本を買った。タイトルのとおり、壁の写真を集めた作品集で、ずっと前から欲しかった本である。絶版のようでなかなか手に入らなかったのだが、最近やっと購入することができた。 最近は描きたい絵が抽象画に接近…

お客様から抜け出せないアーティスト2

1の続き。 結局、貸しギャラリーとは何なのかというと、企画ギャラリーに拾ってもらえない有象無象の作家の受け皿であって、これがあるからこそ、お前のような中途半端な人間が作家のふりをできるんだろと言われたら返答に詰まる。事実、日本は美術市場の規…

お客様から抜け出せないアーティスト1

芸術なんかにあまり興味がないという人にとっては、芸術家の展覧会というと、基本的に美術館や百貨店で開催されているもののことを想像すると思う。しかし、そのような場所で展示ができるのは評価や知名度のある作家だけで、大多数の作家は美術館や百貨店で…

「福岡道雄展 つくらない彫刻家」感想2

1の続き。 FRPの板の上に「何もすることがない」とか「私達は本当に怯えなくてもいいのでしょうか」といった言葉を延々と写経のように刻んだ作品郡については、この作家が創作という行為に縛られ、自縄自縛の状態で吐き出した怨念のようなものを感じた。こ…

「福岡道雄展 つくらない彫刻家」感想1

現在、国立国際美術館で開かれている「福岡道雄展 つくらない彫刻家」を見てきた。アーティストトークにも参加し、作家本人の話を聞くことができた。聞き手の松井智恵氏との金玉トークなども盛り上がって、大変聞き応えがあった。 撮影可の展示室にて撮影 自…

払わなければいい

現在、映像制作の料金未払いに遭っていて、面倒臭いことになってきている。完成データはすでに納品済みで、後は金を払ってもらうだけなのだが、何度メールしてもほとんど返って来ず、返ってきても「経理に確認します」だの「○日に支払います」だのと言うだけ…

思い出に苦しむひと 2

過去の読書ノートより抜粋。 前回の記事からの続き。 今読んでいるのはヘッセの「人は成熟するにつれて若くなる」という本。「クヌルプ」よりも後に書かれた随筆集で、テーマは繋がっている。「クヌルプ」がヘッセの30代後半の作品で、今から老いを迎える…

思い出に苦しむひと 1

過去の読書ノートより抜粋。 ヘルマン・ヘッセの「クヌルプ」という小説を読んだら、自分が普段抱えている雑念と重なるテーマが取り扱われていて、随分と心を揺さぶられた。 この小説の主人公クヌルプは、住所不定の放浪生活をしている人間で、各地を転々と…

無自覚にパクることの恐ろしさ

先日、自分が過去に作った映像作品を何気なく見返していたら、その中の1シーンが、某有名アニメの1シーンのパクリであることに突然気付いた。変な汗が出た。 自分にはパクろうという意志は欠片もなかった。本当に全くなかった。無自覚にパクってしまったの…

ホラー映画の幽霊

日本のホラー映画を見ていると、それに登場する幽霊が様々な超能力を使うのが当たり前になっていて、怖さよりも「こいつら一体何者なんだ」という部分に興味が湧いてしまう。 有名なところでは、「リング」の貞子が念写によってビデオテープに映像を記録した…

陶器の手ざわり

ここ1年ほどで、急速に陶器収集の趣味が高じて、気が付くといつの間にか食器棚から100均の食器が駆逐され、陶芸作家の手作りの器が入り切らないぐらい並んでいる。陶器、つまり焼き物が趣味だと言うと、いかにも爺臭い印象がある。自分も1年前までは焼…

MVは贅沢品

自分は作家活動をしていると書いたが、具体的に何を作っているのかというと、銅版画やアクリル画である。映像制作もする。最近は粘土で遊んだりもしている。全部ただの遊びだろと言われたらその通りで、「リリィ・シュシュのすべて」という小説の中に「いろ…

作品をどう見てほしいか

前回の続き。 アートフェスに行って、そこに出展している海外の作家の作品を見ていると、彼らは大抵たどたどしい日本語で積極的に自作の魅力をプレゼンしてくる(若干引くほどに)。どうも海外では作家がプレゼン能力を磨くのは当たり前のことで、寡黙にして…

言葉にできない

今現在、自分のところには何故か文章の依頼が来ていて、提出期限はとっくに過ぎている。依頼などと言うと大袈裟に聞こえるが、何だかよく分からん自費出版の雑誌に、自作についてのちょっとした文章を書いてくれと知人に頼まれただけのことで、金も貰えない…

フォロワーが増えれば増えるほど裸の王様感に苛まれる

SNS

前回はTwitterの宣伝効果が薄いということを書いた。 今回はTwitterを使っていてストレスを感じた部分について書く。 かっこつけずに正直に感じていたことを書くつもりなので、かなりダサイというか痛いというか、けつのANAの小ささが丸出しの内容になると思…

ファンよりアーティストの方が多い

SNS

Twitterは5年ぐらい使っていて、主に自分の作家活動の宣伝のためにやっていたのだが、だんだんと嫌気が差して使う頻度が落ちている。 作家活動でないにしろ、同じような理由でTwitterを使っている人は非常に多い。というか、Twitterの現状を見ていると、ほ…

開設

なんとなくブログを始めようと思った。 理由はTwitterを使うのにそろそろ限界が来ている気がするからで、Twitterでは書きにくい、まとまった文章をこういう場で公開してみたいと思った。Twitterについては個人的に思うことが山ほどあるので、またそのうち書…