間違い電話の向こう側

芸術・その他雑記

ファンよりアーティストの方が多い

Twitterは5年ぐらい使っていて、主に自分の作家活動の宣伝のためにやっていたのだが、だんだんと嫌気が差して使う頻度が落ちている。

 

作家活動でないにしろ、同じような理由でTwitterを使っている人は非常に多い。というか、Twitterの現状を見ていると、ほとんどのユーザーが、何らかの自分の商業活動を宣伝するためにやっているのではないかという気すらしてくる。

 

あくまで個人的な感想だが、Twitterはここ2〜3年で、純粋に「情報収集をしたい人」がごっそりいなくなって、「情報発信をしたい人」だけが残ったのではないかという印象が強い。大量に参入してきた業者を除いて、個人で利用しているユーザーに限ったとしても、積極的に発信したいという情報の多さから、「ファン」より「アーティスト」の方が多いように見えてしまう。まるでライブハウスで客席に誰もいないのに、全員が舞台に上がって押し合いしながら歌っているような状況である。

 

こういう状況下で、いくら自分の商業活動の告知をしようが、利用者は全員「自分は消費者ではなく発信者だ」と思っているので、乗ってきてくれる人はほぼいない。

 

自分は個展の宣伝などをしていたのだが、そもそも、どこに住んでいるかも分からない相手に向かって特定の地域で行われるイベントの告知をしても、これは下手な鉄砲を撃つことにすらならない。「宣伝内容に興味を持った人」の中の、「会場に行ける距離に住んでいる人」の中の、「予定が空いている人」にしか実質的な効果がないのだから、ものすごく無駄が多い。実際に来てくれる人が1%もいたら良い方だろう。まあ宣伝というのはそういうものかもしれないが。

 

Twitterは何らかの宣伝活動をしようと思うと、効果に対して運用にかかる労力が大きくなりすぎる。多くの人に情報を見てもらいたいと思ったら、自分も積極的に他人の宣伝の手伝いをしなければならないし、そのためにはツイートを見逃さないようにタイムラインに張り付いていなければならない。何もしなくてもトントン拍子にすべてが上手くいくのはほんの一部のユーザーだけだろう。

 

最近のTwitterは余計な機能ばかり充実させて、タイムラインにフォローしてもいない人のツイートを次々と紛れ込ませたりするので、必要な情報を探すのにも手間がかかる。おそらく、ユーザー間での交流を活発化させたいのだろうが、せっかく自分でフォローする人を選んで構築したタイムラインをぐちゃぐちゃにされたのでは見る気も失せる。ただでさえTwitterはノイズが多いのに、どうでもいい動物の面白動画とか興味のない啓蒙漫画ばかり押し付けられたら、シンプルで見やすいInstagramに移住する人が増えるのも無理はない。実際、自分がフォローしていた作家の中には、そちらへ移ってしまった人が何人もいた。Twitterにはアカウントを残しているものの、FacebookInstagramのリンクを貼るだけという、ただの立て看板のようなアカウントも非常に多い。

 

現時点ではInstagramの方が良さそうな気はするが、そもそも作家はSNSなんかにうつつを抜かすべきではないと思うので、今回はその話はやめておく。こうして誰が読むのか分からない文章を1人でいろいろ考えながら書いている方がまだ意味がある・・・と思う。思いたい。

 

そんなわけで、自分はそういう場からあぶれてきた人間なので、このブログはSNS的な使い方をせず、ただ気楽に書きたいことを書くだけにするつもりだ。